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高森明勅
2017.4.22 00:00

戦後レジーム的「天皇」像との対決

ご譲位を巡る最も本質的な対立。

それは、2つの天皇像の対立だった。

「国民に寄り添う」天皇と「国民と無縁な」天皇の対立。

前者は「天皇の伝統的在り方」に立脚した天皇像であり、
後者は憲法の天皇条項を最大限、
抑圧的に歪曲解釈した天皇像だ。

それは正に「戦後レジーム」的な天皇像と言うべきだろう。

今、政府が用意している、
国会の合意すら軽視した特例法骨子案は、
その戦後レジーム的天皇像を懸命に“保守”しようと目論んでいる。

政府は本当は譲位自体を認めたくなかった。

しかし天皇陛下の強いお気持ちと、
それを後押しする圧倒的多数の国民の共感により、
しぶしぶ譲位を認めざるを得なかった。

そこで政府は、この度のご譲位をどこまでも
“一代限り”の“例外的措置”
にとどめ、
戦後レジームの枠内に押し込めようとしている。

私らが直面しているのは、
戦後レジーム的天皇像との対決だ。

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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